2008.2月
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改正パートタイム労働法の実務:前半 *********
今年H20年4月1日に施行を控えた改正法ですが、御社のご対応は大丈夫でしょうか?
いまや労働者の3人に1人は非正規雇用者であり、なかでも短時間労働者であるパート労働者の占める割合は大きなものです。よって、今回の改正がもたらす「人事管理」への影響が大きなものであることは間違いありません。
対応を確実に進めるためにも、改正情報を正確に把握することが必要です!
詳細は、厚生労働省HPでご確認下さい!
1 労働条件の文書交付・説明義務
2 均衡のとれた待遇の確保の促進
(働き・貢献に見合った公正な待遇の決定ルールの整備)
3 通常の労働者への転換の推進
4 苦情処理・紛争解決援助
5 事業主支援の整備
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【
労働条件の文書交付・説明義務
】
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労働条件通知書の整備
1 特定事項の追加
労働条件の明示事項
必ず明示(労基法15条関係)
1 労働契約の期間
2 就業の場所・従事すべき業務
3始業・終業の時刻、所定労働時間を超える労働(早出・残業等)の有無、休憩、休日及び労働者を二組以上に分けて就業させる場合における就業時転換に関する事項
4 賃金の決定、計算・支払いの方法及び賃金の締切・支払いの時期
5 退職に関する事項(解雇事由含む)
6 昇給に関する事項
定めをした場合に明示(労基法15条関係)
7 退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定・計算・支払いの方法及び支払い時期
8 臨時に支払われる賃金、賞与及び最低賃金に関する事項
9 労働者に負担させる食費、作業用品などに関する事項
10安全・衛生
11職業訓練
12災害補償・業務外の傷病扶助
13表彰・制裁
14休職
改正法により文書交付による明示が義務化(改正法6条関係)
1昇給の有無
2退職手当の有無
3賞与の有無
改正法により義務化された6条関係は、支給の可能性はあるが、「必ず」ではない・・
このような場合は「制度:有り」とし、「業績により不支給の場合あり」などと明示する。
2 契約期間、有期労働契約の締結、更新および雇い止めに関する基準の追加
1の特定事項の追加のほか、「契約期間の有無」「有期労働契約の締結」「更新及び雇い止めに関する基準」については、確認しておくことが必要。
有期契約として契約更新を行う場合には、契約管理をしっかりと行い、通知書を再度発行するなどの対応が重要になる。
*待遇決定についての説明義務
労働条件の文書交付と併せて、待遇の決定についての説明義務があります。
1労働条件の文書交付等
2就業規則の作成手続き
3待遇の差別的取扱い禁止
4賃金の決定方法
5教育訓練
6福利厚生施設
7正社員への転換を推進するための措置
以上、1〜7について、パート労働者から求められたときに説明を行う義務がある。
これは、正社員に比し労働条件が不明確になりやすいパート労働者に配慮した措置である。
説明については「義務」であるが、パート労働者が納得するか否かは求められていない。
【均衡のとれた待遇の確保の促進(働き・貢献に見合った公正な待遇の決定ルールの整備)】
*改正内容と影響
1「正社員と同視すべき」措置
「通常労働者と同視すべき短時間労働者に対する差別的取扱いの禁止」が、改正の注目されるところである。正社員と同視されるパート労働者について、差別をすることが認められず、このような該当者がいると判断される場合には、待遇面の大幅な見直しが必要となる。
正社員についても、役割の整備や明確化が必要。
*正社員とパート労働者を区分する判断要件および対応具体例
1正社員と同視すべき判断基準
★
職務内容
業務の内容、労働者に与えられた権限の範囲、成果への期待度(ノルマ等)、トラブル発生時の対応等で、所定外労働の有無や、頻度も含まれる。
★
人材活用の仕組み
転勤の有無や範囲、職務の内容及び配置替えの有無や範囲。(昇進も含む)
★
契約期間
期間の定めの無い契約かどうか。反復更新により実質的に契約期間の定めが無い契約であると評価されることもある。業務内容の恒常性・臨時性、事業主の言動、契約更新の有無・回数、更新の手続きの厳格性などが参考とされる。
2判断要件の具体例
項目 |
内容 |
正社員 |
パート労働者 |
業務内容 |
苦情対応 |
携る |
行わない |
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日報等の報告義務 |
義務 |
不要 |
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決裁権限の範囲 |
役職に応ずる |
無し・範囲限定 |
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ノルマ |
役職・等級ごと決定 |
無し |
入社時の取扱 |
採用試験 |
筆記試験・面接 |
面接 |
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提出書類 |
規定の通り |
誓約書・身元保証不要 |
社内規定 |
異動 |
命ずる |
無し |
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人事評価 |
年2回の評価 |
対象から除外 |
契約期間・更新 |
雇用期間 |
定め無し |
有期契約 |
・・・ |
更新手順 |
特段無し |
1ヶ月前に面談・決定 |
客観的資料や、判断基準の規定(就業規則等)が必要。
*パート労働者の中での分類と求められる均等待遇
正社員と同視すべきパート労働者以外のパート労働者についても、均衡のとれた待遇の確保が求めたれている点に注意!
1賃金の決定
正社員と同視すべきパート労働者においては、正社員と同一の方法により賃金を決定することが求められている。それ以外のパート労働者については、職務内容、成果、意欲、能力・経験等を勘案し決定する努力義務となっている。
2教育訓練
以下二つの訓練に分けて対応することが求められる。
- 職務の遂行に必要な能力を身に付けさせるための訓練
- キャリアアップのための訓練
前訓練は、正社員と同視すべきパート労働者においては正社員と同様の訓練が求められる。(職務内容による)
後者訓練は、パート労働者については努力義務となっている。
3福利厚生施設
「給食施設」「休憩室」「更衣室」について全てのパート労働者に対し、利用機械を与えるように配慮することが義務付けられた。増改築してまでの対応は、求められていないが、交代利用などの対策が必要である。