2007.11月 

********* 【助成金】新設!+改正!!情報 その1*********

毎月のお給料から、控除(現在 被保険者6/1000 事業主 9/1000)される雇用保険料。この、事業主負担の一部を財源として賄われている助成金ですが、制度は常に一定ではなく、社会情勢などを受けた傾向があります。
さて、今年の傾向は?

◆ 高年齢者から若年者・教育へシフト
高年齢者関連の助成金は、受給要件が厳しくなりました。
(再雇用は助成金が無くなり、支給は「定年引上げ」または「定年廃止」のみ。)

◆ 育児助成金の拡充の継続
新設および拡充:ハローワーク管轄の育児関連助成金/両立支援レベルアップ助成金

◆ その他
特定求職者雇用開発助成金が10月から定額制

主な助成金概要(詳細は、厚生労働省HPでご確認下さい!)

1 中小企業労働時間適正化促進助成金

【制度概要】
常用労働者100人以下の企業で、「特別条項付時間外労使協定」を定めた事業主が、働き方の見直しを通じ、労働時間の適正化に取り組んだ場合に、その実施した内容に応じて支給。
【受給対象事業主】
以下全てを満たす労災保険適用事業主

1, 中小事業主

2,「働き方改革プラン」を作成し、都道府県労働局長の認定を受けた事業主

3,「働き方改革プラン」の認知日において、「特別条項付時間外労使協定」を締結している事業主であること

4, 賃金台帳等の帳簿等を備え付け、都道府県労働局長の認定を受けた事業主であること(賃金不払い等の法令違反のないこと)

5, 労働保険料を、2年を超えて滞納していないこと(その他助成金等の不正行為のないこと)

【受給額】

回数

支給時期

受給額

第1回

認定を受けた「働き方改革プラン」に従い、時間外労働協定、就業規則等の整備・改定・届出

50万円

第2回

時間外労働削減等の措置および省力化投資等の措置または雇入措置是正を完了・確認

50万円

合計

100万円

* 第2回の措置が完了しなかった場合には、第1回の支給額は全額返還!

【申請手続】
総労働時間を削減するために「働き方改革プラン」(実施期間1年間)を策定し、プランに盛り込まれた内容を実施。

1,「働き方改革プラン」の策定及び認定申請

2,「働き方改革プラン」の認定

3, 認定から2ヶ月以内に第1回支給申請

4, 第1回支給

5,「働き方改革プラン」終了日から1ヶ月以内に実施報告+第2回支給申請

6, 第2回支給


【受給ポイント】

時短を目的とした助成金。
<働き方改革プランの基準>

時間外労働削減の措置:対象労働者を従来の半分以下にすること。休日労働対象労働者は、1人でも減ればOK。
省力化投資等の措置:「300万円要件」は、機械やコンピュータソフトの他、教育訓練も含む。
新規雇い入れ措置:申請日前より人数が増えていること、一人以上雇うこと、リストラ予定が無いこと等。

2 中小企業定年引上げ等奨励金

【制度概要】

「70歳まで働ける企業」の普及・促進を進めるために、労働協約または就業規則により、65歳以上もしくは70歳以上への定年の引き上げを行った事業主に対して、企業規模等に応じて一定額が支給。

【受給対象事業主】
(1)65歳以上の定年を定める場合
以下全てを満たす、雇用保険適用事業主で、常用被保険者が300人以下であること。

60〜64歳の定年を定めている事業主

65歳以上の定年の引き上げ措置の実施

H19年4月1日〜申請日の前日

高年齢者雇用確保措置の年齢(62〜64歳)

実施日から1年前〜実施日の間に「下回ることが無いこと

定年引上げ実施前の定年

65歳未満で、定年の引き上げでそれを超えること

60〜64歳の常用被保険者

常用被保険者の数

1人以上

または、次のいずれにも該当する法人を設立し、1〜4の全てを満たすこと。

1, 雇用保険の適用事業主であり、常用被保険者が300人以下の事業主

2, 法人の設立から1年以内に65歳以上への定年の引き上げ措置を実施

3, 法人の設立から実施日、までの間、高年齢者雇用確保措置の年齢
  (62〜64歳)をクリアしていること

4, 支給申請日の前日において以下の要件を満たすこと

60歳以上65歳未満の常用被保険者

3人以上

常用被保険者全体に占める割合

4分の1以上

1年以上継続して雇用されている55歳以上〜64歳の常用被保険者の割合

2分の1以上

(2)70歳以上の定年を定める場合

次のいずれかに該当する事業主。

1, H19年4月1日以降、(1)の65歳以上の定年を定める条件を満たす事業主で  あること

2, 法人の設立から、1年以内に70歳への定年引上げまたは、定年の定めの廃止を  実施したこと

【受給額】

定年年齢

65歳以上

70歳以上

1〜9人

40万円

80万円

10〜99人

60万円

120万円

100〜300人

80万円

160万円

【申請手続】

1, ケースにより就業規則(4通り)

◎ H9年4月1日以降に定年制度を施行している就業規則等

◎ 高年齢雇用確保措置が実施されている就業規則等

◎  H19年4月1日以降、65歳以上への定年の引き上げまたは定年の廃止が実施  されている就業規則等

◎ 継続雇用定着促進助成金を受給したか、している場合、
  制度を導入した就業規則等


2, 支給申請

(申請書・就業規則の他の添付物)

◎ 登記事項証明書

◎ 雇用保険資格取得等確認通知書、喪失確認通知書(020.022)

◎ 預金通帳、労働保険料の申告書

◎ 雇用保険適用事業所設置届(001)

【受給ポイント】

H19年3月末までの「継続雇用定着促進助成金」に比べ、受給要件が厳しい。
「継続雇用定着促進助成金」との相違点は、

1, 継続雇用による助成がなくなった

2, 過去に60歳、62歳、63歳の定年を定めた就業規則も必要

*63歳や、64歳までの雇用確保措置を講じて、さらに定年を引き上げる規定が必要。


3 雇用環境整備助成金

【制度概要】

定年延長者の能力開発のための助成金。定年引上げ等の制度を導入した事業主が、その雇用する労働者の多様な働き方の実現のため、措置導入後1年以内に55歳以上の者を対象として研修を実施した場合に支給。

【受給対象事業主】

以下全てを満たす、事業主であること

1, 65歳以上への定年引上等を実施

2, 実施日から1年前までの日において、62〜65歳の定年が定められ、
  高年齢者雇用安定法に違反していないこと。

3, 65歳以上への定年の引上げ等の実施により、退職年齢が、
   H9年4月1日以降に定められていた定年年齢を超え、
   旧定年が65歳未満であること。

4, 55歳〜64歳までの雇用保険被保険者に対する研修の計画を立て、
  それを当該事業主以外の事業主や、公的機関に実施させていること。

5, 過去に雇用確保措置導入支援助成金の支給を受けたことがないこと。

【受給額】

研修等に要した経費の2分の1(ただし実人員で1人当たり5万円、1社あたり実人員で50人分、総額250万円)を上限として支給。対象となる研修は合計7時間以上のもの、対象となる費用は研修等を開始した日から1年を経過した日までの費用。

【申請手続】

1, 雇用確保措置日(65歳を超える定年を定めた日)から6ヶ月以内に
  研修等の計画申請

2, 計画完了から6ヶ月以内に支給申請

(添付書類)

*研修等の計画申請

 労働協約または就業規則

 研修等の案内書、パンフレット

 委託契約書、委託相手方の講師プロフィール等

 研修等の経費の積算内訳書 等


*支給申請のとき

 研修等受講者名簿

 研修等の契約書、申込書、請求書、領収書

 受講者出席表

 雇用保険資格取得確認通知書

 労働保険料に関する書類 等

【受給ポイント】

「キャリア形成助成金」との併給不可。

キャリア形成助成金の方が、研修中の賃金助成があるため、選択の比重は高い。