2007.8月 

これからの企業経営  −ポジティブ・アクション−


団塊世代の大量退職を迎える中、企業は人材の確保が必須となっています。

「仕事が目的」であった団塊の世代の時代は、会社は社員を丸抱えで守ってくれる
・・そんな環境がありました。

次世代の若者にとって、仕事は自分の生活を充実させるための
「手段」だといいます。

会社は自分に「何をやらせてくれるのか?」

ポジティブ・アクションを正しく理解し、有能な人材を確保していくことは、新しい時代の企業経営に、重要だと強く感じます。



ポジティブ・アクションとは?

個々の企業において、固定的な性別による役割分担意識や、過去の経緯から、男女労働者間に事実上生じている差があるとき、それを解消しようと、企業が行う自主的かつ積極的な取組み。


男女雇用機会均等法とポジティブ・アクション


1 女性労働者に係る措置に関する特例

第8条 前3条の規定は、事業主が、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保の支障となっている事情を改善することを目的として、女性労働 者に関して行う措置を講ずることを妨げるのもではない。


* 原則として、均等法は、性別によって片方を有利に取り扱うことを禁止しています。
しかし同条は、男女雇用の場において、均等な機会・待遇を行う上で、現状支障となっていることを解決するためには、女性のみを対象とした措置をとるこ とや、女性を有利に取り扱う措置は法律違反にはならないと明記しています。

* 「法違反にならない場合」
指針により、【募集・採用、配置、昇進、教育訓練、職種および雇用形態の変更】に関しての具体的な措置を明らかにしています。

http://www.mhlw.go.jp/general/seido/koyou/kaiseidanjo/dl/04a.pdf


2 事業主の講ずる措置(ポジティブ・アクション)に対する国の援助

第14条 国は、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇が確保されることを促進するため、事業主が雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇 の確保の支障になっている事情を改善することを目的とする次に掲げる措置を講じ、又は講じようとする場合には、当該事業主に対し、相談その他の援助を 行うことができる。

一 その雇用する労働者の配置その他雇用に関する状況の分析

二 前号の分析に基づき雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保の支障となっている事情を改善するに当たって、必要となる措置に関する計画の作成

三 前号の計画で定める措置の実施

四 前三号の措置を実施するために必要な体制の整備

五 全各号の措置の実施状況の開示


企業において、男女の役割分担意識に根ざす制度や慣行に、男女間の格差が事実上生じていることに着目し、このような格差解消を目指して、雇用管理の改 善に取り組むことが望ましく、改善に取り組む企業を国が相談・援助できる旨を定めています。



ポジティブ・アクションの必要性

■ 労働意欲、生産性の向上・・・性別にとらわれない能力や成果に基づく公正な評価を徹底することで、やる気のある人の活躍の場を広げ、結果的に生産性の向上や、競争力の強化を期待できる。

■ 多様な人間による新しい価値の創造・・市場が多様化する中、新しいニーズに応える商品・サービスを提供する発想が求められる。男女に関りなく個性を持った人材の確保が必要となる。

■ 高質な労働力の確保・・・少子高齢化による労働力不足が見込まれる中、働きやすく、公正な評価をされる企業としての認知は、質の高い労働力確保に有利。

■ 外部評価(企業イメージ)の向上・・社員の能力発揮と、育成に取り組む企業姿勢は、顧客・株主、取引先等の利害関係者からの信頼や、好意的な評価を得ることができる。


ポジティブ・アクションの取組の流れ


取組の効果ポジティブ・アクションの例

【状況の分析】女性労働者の状況を分析
        ↓
【結 果】勤続年数が長い女性労働者が多数いるにもかかわらず、管理職になっている女性が極めて少ない状況を把握
        ↓
【計画の作成・措置の実施】
目標の設定:「3年間で女性管理職20%増加」
目標達成に向けた取組:女性の管理職候補者を対象にした研修の実施女性に対する昇進、昇格試験受験の奨励女性に対する昇進、昇格基準の明確化 等


引用・参照)神奈川労働局均等室HP
http://www.kanarou.go.jp/users/kintou/index.html

宮崎雇用均等室HPhttp://www.miyazaki.plb.go.jp/kinto/kintoho_06.html
神奈川労働局パンフレット