2007.7月 

「 社員さんのおめでた発覚!留意すべきことは? PART 2 」

< 今回は事業主さん編! >

事業主さまには 母性健康管理のための措置が義務付けられています!

妊娠中の女性労働者に対して、職場の環境整備など措置(健康で安全に仕事を続け、安心して出産できるサポート)が必要です。これらは、「労働基準法」や「男女雇用機会均等法」により、母性健康管理のための措置として義務付けられています。

1 妊娠したことを言い出しやすい職場環境をつくりましょう。
2 社内体制の整備や社内制度についての周知や、教育の実施等があります。
 ( 妊娠から復職までの流れのマニュアル作ることも必要でしょう。 )
3 休養室の確保、長いす等の設置、分煙etc



措置1(妊娠中)

健やかな妊娠・出産のため、定期的な健診が受診できるように健診のための時間をとれるよう配慮します。また、できる限り医師が指定した日に受診できるようしてください。(男女雇用機会均等法第22条)

参照)厚生労働省ホームページ「男女雇用均等法のあらまし」
http://www2.mhlw.go.jp/topics/seido/josei/hourei/20000401-16.htm

妊娠中及び出産後に医師等から指示が出された場合は、
適切な措置をとってください。

その際には「母性健康管理指導事項連絡カード」を活用しましょう。
http://www2.mhlw.go.jp/topics/seido/josei/hourei/20000401-25-1.htm

具体的な指導がない場合などは、 医師などと連絡をとり、判断を求めるなどの対応が必要です。

注意!!個人の健康状態に関する情報は、個人のプライバシーに属するものです。母性健康管理の措置の実施にあたっては、「母健連絡カード」等の取り扱いや保管方法等に充分留意してください。

(均等法23条)
妊娠中の通勤緩和・妊娠中の休憩に関する措置・妊娠中又は出産後の症状等に対応する措置。

(均等法8条)
妊娠、出産を理由として解雇することはできません。

(労基法64条の3)
使用者は妊産婦を危険有害業務に就かせてはいけません。

(労基法65条3項)
妊娠中の女性が請求した場合には、他の軽易な業務に転換させなければなりません。

(労基法66条2・3項)
妊産婦が請求した場合には時間外労働、休日労働、深夜業をさせることができません。

(労基法66条1項)
変形労働時間の適用制限。変形労働時間の適用がある場合でも、妊婦は1日8時間及び1週間について40時間を超えて労働させることはできません。




措置2 産前・産後休業

原則)産前は出産予定日を含む6週間前から(多胎妊娠の場合は14週間前から)、産後8週間は就業させることはできません。
例外)産後、医師が支障はないと認めた業務について、本人から請求があった場合は、6週間経過後から就業させることができます。(労働基準法第65条)

(労働基準法第19条)

使用者は産前産後の女性を産前・産後休業の期間及びその後30日間は解雇してはいけません。





措置3 育児休業(育児休業法)

育児介護休業法制度概要
http://www2.mhlw.go.jp/topics/seido/josei/hourei/20000401-38.htm

休業の定義 労働者が原則としてその1歳に満たない子を養育するためにする休業

手 続 :書面で事業主に申出
(事業主は、証明書類の提出を求めることができる)

申出期間:原則、事業主による休業開始日の繰下げ可能期間は1か月前まで
(1歳6か月までの申出は2週間前まで)

* 出産予定日前に子が出生した等、事由が生じた場合は、1回限り開始予定日の繰上げ可

* 1月前までの申し出で、子が1歳に達するまでの期間内に1回限り終了予定日の繰下げ可
* 休業開始予定日の前日までに申出撤回可(この場合、原則再度の申出不可)

産休・育休による申請(届出)手続きについて・・・

1 出産手当金

産前産後休業の期間中、一定の要件を満たすことで、標準報酬日額の2/3が支給されます。
<問い合わせ先>勤務先または保険者(社会保険事務所又は健康保険組合)



 出産育児一時金

分娩して時の費用として、定額の35万円(1児)が支給されます。
(妊娠4ヶ月以上であれば死産・流産も含みます。)
<問い合わせ先>勤務先または保険者(社会保険事務所又は健康保険組合)



3 育児休業給付(雇用保険)

一定の要件を満たす雇用保険の被保険者が、一歳未満の子を養育するために育児休業を取得し、休業中の賃金が一定水準を下回った場合、休業開始時賃金月額につき、育児休業給付(30%)・職場復帰給付(20%)が雇用保険から支給されます。
<問い合わせ先>支給要件・手続等詳しいことは最寄りの公共職業安定所にお問い合わせください。



4 育児休業期間中の社会保険(健康保険・厚生年金保険)料の免除

育児休業期間中、申し出により、被保険者負担分及び事業主負担分ともに保険料が免除されます。
<問い合わせ先>勤務先または保険者(社会保険事務所又は健康保険組合)



5 育児休業期間中の住民税の徴収の猶予

一時に納税することが困難であると地方団体の長が認める場合は、本人の申し出により、育児休業期間中1年以内の期間に限り、住民税の徴収が猶予されます。
<問い合わせ先>各市区町村




措置4 育児時間

女性労働者は、子どもが1歳に達するまで育児時間(1日2回、30分ずつ)を請求することができます。

この時間中はその女性を就業させてはいけません。(労働基準法第67条)




措置5 育児配慮

1 子の看護休暇

* 小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者は、申し出ることにより、1年に5日まで、病気・けがをした子の看護のために、休暇が取得できる




2 時間外労働を制限する制度(対象者には、一定の請求要件あり)

* 小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者がその子を養育するために請求した場合、事業主は制限時間(1月24時間、1年150時間)を超えて労働時間を延長してはならない

対象労働者: 小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者

期間・回数: 1回の請求につき1月以上1年以内の期間
       (請求できる回数に制限なし)

手 続 : 開始の日の1月前までに請求

例 外 : 事業の正常な運営を妨げる場合は、事業主は請求を拒める




3 深夜業を制限する制度(対象者には、一定の請求要件あり)

小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者が請求した場合においては、事業主は午後10時〜午前5時(「深夜」)において労働させてはならない

期間・回数:1回の請求につき1月以上6月以内の期間
      (請求できる回数に制限なし)

手 続: 開始の日の1月前までに請求

例 外: 事業の正常な運営を妨げる場合は、事業主は請求を拒める




4 勤務時間の短縮等の措置等

* 1歳未満

1歳(1歳6か月までの休業ができる場合は、1歳6か月)に満たない子を養育する労働者(日々雇用除く)で育児休業をしないものに関しては次の措置のいずれかを、1歳(1歳6か月までの休業ができる場合は、1歳6か月)以上3歳に満たない子を養育する労働者(日々雇用除く)に関しては育児休業に準ずる措置又は次の措置のいずれかを講ずる義務

a.. 短時間勤務の制度 ・ フレックスタイム制・ 始業、終業時刻の繰上げ、繰り下げ ・ 所定外労働をさせない制度 ・ 託児施設の設置その他これに準 ずる便宜の供与

* 3歳から小学校就学の始期に達するまでの子を養育又は家族を
  介護する労働者に関する措置

3歳から小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者に関して、育児休業制度又は勤務時間短縮等の措置に準じて、必要な措置を講ずる努力義務




5 労働者の配置に関する配慮

就業場所の変更を伴う配置の変更において、就業場所の変更により就業しつつ子の養育や家族の介護を行うことが困難となる労働者がいるときは、その子の養育や家族の介護の状況に配慮する義務