2007.5月 

パートタイム労働法の改正と留意点

政府は、2007年2月13日、パートタイム労働法の一部を改正する法律案を閣議決定し、同日国会に提出しました。
(一部を除き2008年4月1日から施行の予定です。)

パート労働の現状

パートタイムで働く人は、H17年には約1266万人。
雇用者総数(5280万人)の24%と4人に1人を占めています。
またその約7割が女性といわれます。
さらに、15〜24歳の雇用者の約4割がパート労働者として働き、基幹的役を担うパート労働者も増加しています。


パート労働をめぐる問題点

職場でも、社会でも重要な働き手ですが・・・。

  • 仕事・責任、キャリア管理が正社員と同様なのに、賃金など処遇(労働条件)には大きな格差がある。
  • 待遇に対する納得性の不足
  • 一度パート労働者になると、正社員になることが困難。


パートタイム労働法・指針 のこれまで

H5年6月制定
12月施行
「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律」
H5年12月 「パートタイム労働指針」の策定・実施
H14年7月 「パートタイム労働研究会報告」
H14年〜 「労働政策審議会雇用均等分科会における検討 指針の見直し」
H15年3月 「雇用均等分科会報告(今後のパートタイム労働対策の方向について)」
H15年8月改正
10月施行
「パートタイム労働指針の改正」

(改正)「パートタイム労働指針」を法律に格上げしたものともいえそうです。

<議論経緯>
H18年7月〜12月  「労働政策審議会雇用均等部会による見直し検討」
H18年12月    「雇用均等部会 今後のパートタイム労働対策について」

<主要改正項目>
(1条関係):改正の目的と意義
(6条関係):労働条件の明示 (義務化)

  • 明示の対象事項
  • 明示の方法
  • 違反に対する制裁(過料の創設)

(13条関係):事業主(使用者)の説明責任(労使の話し合いの促進)(義務化)

  • 説明義務の対象事項
  • 説明義務の範囲程度

(12条関係):通常労働者への転換の促進 (義務化)

  • 転換制度の意義
  • 措置義務
  • 転換促進の方法

(21条関係):労使紛争解決の援助 (努力義務)

  • 紛争の自主解決
  • 紛争の解決援助― 均等法上の解決援助の準用

(8、9,10,11条関係):均衡ある処遇の確保 (義務化・禁止)

  1、差別的取扱いの禁止

  • 差別的取扱い禁止の対象者
  • 禁止対象者の判断基準(適用要件)

  2、均衡待遇について

  • パート労働者の対応に応じた均衡待遇
  • 均衡待遇の適用上の要件

  3、均衡処遇の範囲の考え方

  • 賃金
  • 教育訓練
  • 福利厚生

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「もっと自分の能力を発揮したい」「自分の仕事をきちんと評価して欲しい」それはパートであろうと正社員であろうと、かわらない願いです。
また、今後ますます多様な働き方へのニーズは高まることでしょう。
どんな働き方を選んでも、働きがいをもって、仕事とくらしを両立できるような社会が望まれます。
そのためにも働き方に見合った公正な評価と処遇の決定、人事管理ルールの確立が重要となります。

助成金情報にも注目です!

事業主等支援の整備として短時間労働援助センターの事業の見直しがあります。
事業主に対する助成金支給業務を集中的に行うようです。